今回は、基本中の基本単語である4種類の「話す」“say, tell, speak, talk” に就いて考えて行きたいと思います。これらの語は様々な場面で様々な使い方があり、詳細に書けば一冊の本になってしまう位の内容がありますので、ここではほんの入門部分だけになってしまいますが、出来るだけ解り易く説明していきたいと思います。
まずいつもと同じように、日本語を参照しながら ( ) 内の正しい語を選んでみて下さい。
前回学んだこれら 4 語の、基本的な定義を確認しましょう。
(1)The teacher (said, told, spoke, talked) to the students, “I will give
you a test tomorrow.”
(先生は「明日テストをするよ。」と生徒達に言った。
(2) The teacher
(said, told, spoke, talked) the students that he would give a test the next
day.
(先生は翌日にテストをすると生徒達に言った。)
(3) “May I (say, tell, speak, talk)
to Mr. Brown?” “(Saying, Telling, Speaking, Talking).
(「もしもし、ブラウンさんはいらっしゃいますか。」「はい、私ですが。」
(4) I was (saying, telling, speaking,
talking) on the phone for a long time yesterday.
(私は昨日、長い間電話でおしゃべりをしていました。)
say, tell, speak, talk の基本構文は次の通りです。
tell 人 X :
人に X を話す
〔 tell
は基本的に「話す相手」及び「話す内容」が必要〕
say, tell, speak, talk の基本的意味の違いは次の通りです。
say: | 「 ( 実際に声帯を振動させて発せられた言葉 ) を言う」こと。 |
tell : | 「 ( 発せられた言葉の内容 ) を言う」こと。 |
speak: |
「きちんとした内容を、声を出して言う」こと。 |
talk : |
「話す内容」ではなく「話すという行為」に重点がある語。従って「話す相手」の存在が意識されていなければならない。 |
それでは回答を見ていきましょう。
(1)と(2) は「直接話法」と「間接話法」の関係になっています。直接話法とは「発せられた言葉をそのまま伝える」事ですので、(1)は said が、(2)は told が 回答になりそうですが、構文的にもそれぞれ(1)が say to 人 X [X は “ 〜 ” の部分 ] に、(2)が tell 人 X [X は that 以下 ] になっていて、まさに構文の公式通りです。
(3)と(4)は、構文的には「話した内容= X に相当する部分」がありませんので speak か talk しか考えられませんが、(3)は内容的に「電話を通して話したい相手につなげてもらう」事を要求しているわけですから、相手の存在が確認されていない状態ですので speak を選択します。(3)の電話での遣り取りは、決まりきった表現ですね。
(4)は、「交した会話内容」ではなく「長い間おしゃべりをした」という「行為」を言っていますので talking を選びます。