今回は、中学校で学ぶ単語でありながらその使い分けが極めて難しい “ big , large , small , little ” に就いて学んでいきましょう。
第 1 回目と 2 回目に扱った “ tall , high ” のところでも綴りましたが、このような「程度を表す形容詞」はその殆どが、「客観的・物理的意味合いが強い」場合と「主観的・比喩的意味合いが強い」場合に分類出来ます。 politically correct の観点から実際には使われることはないであろう “How tall are you?” ( あなたの身長はどのくらいですか ) という表現に high ではなく tall が使われるのは、 tall が「客観的・物理的」数字を求めているからに他なりません。
large , small と big , little との対比も全く同じ事が言えます。
先ず次の英文に於いて、日本語訳を参照し、 ( ) 内の正しい語を選んでみて下さい。
(1) How (big / large) is Beijing? ( 北京はどの位の大きさですか。 )
(2) How (big / large) is Beijing's population?
( 北京の人口はどの位ありますか。 )
big, large, little, small の違いは次の通りです。
北京は世界最大の人口を抱える大都会であると言われていますが、(1)の How large is Beijing? は、客観的・物理的な大きさを聞いていますので「具体的な数字としての面積」を回答に求めている質問です。
それに対して、 How big is Beijing? は、面積に就いては勿論の事、人口の多さや経済的、商業的観点から見た主観的・感情的な大きさも答えとして求めている事になります。また、 How big is Beijing? という質問を発した人は、既に「北京は ( 様々な面で ) でかい所だな」と感じている事になります。
従って、質問内容は意味的に少々違いがありますが、(1)に関しては large / big 両方が正解になります。
(2)は「北京の人口」を尋ねているのですから、具体的数字或いは客観的言葉を用いて答えなければなりません。従って(2)は、 large が正解になります。
以下に簡単な例を示しておきましょう。
・ Beijing has a large population. (
北京は人口が多い。 )
・ large amount ( 多額 )
・ large amount of deposit interest (
大口預金金利 )
→預金金利は何処の銀行での殆ど「横並び」のように思われますが、実際には銀行側との交渉で決まるのだり、大口顧客は当然のことながら、複数の銀行に金利を打診して交渉しながら決めていきます。
deposit : 預金
interest : 利子、利息
・ a big problem ( 大きな問題 ) ? 「問題」の大きさや重さは数字では示せませんね。