■ティーチャーやぎぬまの「英語のツボ」■
    
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第24回:〔カタカナ英語の存在感〕
「日本語発カタカナ英語のあれこれ」


・ 1985 年の 9 月にニューヨークのプラザホテルで行われた、当時の先進工業 5 カ国「 G5=Group of Five major countries( 米、英、日、独、仏 ) 」の会議で、当時の懸案だったドル高是正に向けての協調介入 (concerted/coordinated/joint intervention) が合意されたことは、プラザ合意 ( = Plaza Accord, Plaza Agreement) として知られている所です。

・その後の急激な円高への移行に伴い、日本政府及び日本銀行 (the Bank of Japan) は、債権高、株高、土地高への誘導を図り、所謂バブル経済 (the bubble economy) の演出を招いたわけですが、その時期には「ジャパンマネー」が世界を席巻し、ニューヨークの土地が全て日本によって買い占められるのではないかという危惧感さえ誘発し、日本叩き (Japan bashing) の原因になったことも記憶に残っていると思います。

・「山高ければ谷深し」の格言通り、 1989 年の東京証券取引所 (Tokyo Stock Exchange) の大納会 (the closing session of the year) で、日経ダウ平均が 4 万円に届かんばかりの値をつけた後、 15 年間右肩下がりの下落を続けてきたわけですが、このジャパンマネーが世界を席巻した時期から、日本文化に関する様々な言葉も欧米人に定着するようになって来ました。

・ 60 歳前後位の方々は「さしみ」を raw fish( 生魚 ) と、第 2 次世界大戦以前に学校教育を受けてこられた先輩方の中には、「酒」を Japanese alcohol made from rice( コメから製造した日本式アルコール ) 等と習ったとも聞いていますが、日本が米国に次いで世界第 2 位の GDP(Gross Domestic Product 「国内総生産」を誇る現在、多少なりとも日本をご存知の欧米人なら、誰でも sashimi( さしみ ) や sake( さけ ) は知っています。

・言い換えれば、日本の国力の増大と共に日本文化に関する様々な日本語も、欧米に浸透していったと言えるのですが、その中で「サラリーマン= salaryman 」と言う語は、浸透度としてはトップランクに挙げられるでしょう。


・僅か十年位前までは、「カタカナ英語の間違い」に類する書籍には必ず「サラリーマン」が取り上げられていました。しかしながら最近では、「日本語発の英語」として、積極的ではないにしろ、多くの欧米人がこの表現を認知しています。

・ salaryman を用いた時事英文記事は数多く見られますが、 The Japan Times の June 29, 2004 付けの記事の中から 1 例だけ紹介させて戴きます。時事英文に慣れていませんと、多少難しく感じる読者の方もいらっしゃるかもしれませんが、これも「バイリンガルへの道」と考え、語句を参照しながら読んでみて下さい。

 

(1) Japan 's employment models have changed dramatically, what with the collapse of the lifetime employment system and (the predicted arrival of) the era in which an average salaryman 's annual income falls to 3 million yen.

 

語句

employment model :雇用形態
dramatically :劇的に、格段に
what with A and (what with) B : A やら B やらで
collapse :崩壊
lifetime employment system :終身雇用制度
predict :〜を予測する、予見する
arrival :到来
ear :時代
average :平均的な
annual income :年収

 

和訳

 終身雇用制度の崩壊と、平均的サラリーマンの年収が 300 万円にまで落ち込むという時代 ( の予測されている到来 ) により、日本の雇用形態は劇的に変化した。

 

『ティーチャーやぎぬまの英語のツボ』では毎回、かゆいところに手が届く、これぞ英語のツボ!な事柄を紹介しています。